VP8
ブイピーエイト
On2 Technologiesが開発し、同社を買収したGoogleが2010年にオープンソースで公開した動画圧縮方式です。WebMの最初の映像コーデックで、WebRTCではH.264と並んでブラウザが必ず実装すべき方式に定められています。
- 開発
- On2 Technologies(2010年にGoogleが買収)
- 公開
- 2010年。WebMプロジェクトとしてオープンソース化
- 仕様書
- IETF RFC 6386(VP8 Data Format and Decoding Guide)
- RTPで送るときの仕様
- RFC 7741
- 色・ビット深度
- 4:2:0、8bitのみ
- 入れ物(コンテナ)
- WebM、MKV
- WebRTCでの位置づけ
- RFC 7742でH.264とともにブラウザの必須実装
- 関連する画像形式
- WebPの非可逆圧縮はVP8のフレーム内符号化がもと
ブラウザで録画した会議や画面収録のファイルをMediaInfoで開くと、映像の欄に VP8 と出ることがあります。VP8は2010年の方式で、新しい動画配信で選ばれることは減りましたが、ブラウザ同士をつなぐWebRTCの世界では今も基本の方式です。
VP8が使われる場面
いま最も使われているのはWebRTCです。WebRTCの仕様(RFC 7742)は、ブラウザが必ず実装すべき映像コーデックとしてVP8とH.264を定めています。どのブラウザ同士でも最低限この二つのどちらかで話が通じるように、という取り決めです。Web会議のシステムでは、参加者の端末やブラウザがばらばらでも確実に通じる方式として、VP8が選ばれることがあります。
ブラウザのMediaRecorderで録画したファイルも、WebMの中身がVP8になっていることがあります。Webアプリに「録画」ボタンを付けると、ユーザーの手元にVP8やVP9のWebMが残るのはこのためです。
2010年代前半のHTML5動画では、特許料のかからない選択肢としてVP8のWebMが広まりました。当時の素材がアーカイブに残っていることもあります。
VP8の仕組みとVP9との違い
VP8は16×16画素のマクロブロックを単位に、フレーム内予測とフレーム間予測を組み合わせて圧縮します。考え方はH.264に近く、圧縮効率もおおむね同じくらいです。
後継のVP9は、ブロックの大きさを最大64×64画素まで広げ、10bitや12bit、4:2:2や4:4:4も扱えるようにしました。VP8は4:2:0・8bitしか持たないため、HDRの映像や色の精度が必要な素材には使えません。
VP8のWebMを変換・編集するとき
ブラウザで録画したVP8のWebMは、編集素材としては扱いにくい形をしています。フレームレートが一定ではなく、ファイルの長さの情報が入っていないこともあり、編集ソフトでは尺が正しく出なかったり、音と映像がずれたりします。
編集に使うなら、FFmpegなどで固定フレームレートを指定してH.264のMP4や、ProResのような編集向けの形式に変換してから取り込みます。音声はOpusで入っていることが多く、MP4に移すならAACに変換しておくと再生環境を選びません。
よくある質問
VP8とVP9はどちらを使えばいいですか
新しく書き出すならVP9の方が同じ画質でデータ量を減らせます。WebRTCで古い機器や他のシステムとつなぐ場合は、互換性のためにVP8が選ばれることがあります。
WebRTCではVP8とH.264のどちらが使われますか
どちらも必須の方式なので、接続のときに双方が対応する中から選ばれます。スマートフォンなどハードウェアで復号できる機器ではH.264の方が電池の消費を抑えやすく、構成によって使い分けます。遅延と方式の選び方はSRT・RTMP・WebRTC・HLSの違いでも比べています。
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