Opus.opus
オーパス
通話の音声から音楽まで1つの方式で扱える、遅延の小さい非可逆の音声コーデックです。ライセンス料が要らず、WebRTCの標準コーデックとして、またYouTubeの音声やビデオ会議で広く使われています。
- 拡張子
- .opus(Oggに入れた単体ファイル)
- 規格
- IETF RFC 6716(2012年)
- MIMEタイプ
- audio/opus(Oggに入れた場合は audio/ogg)
- ビットレート
- 6〜510kbps
- フレーム長
- 2.5〜60ミリ秒(標準は20ミリ秒)
- サンプリング周波数
- 8〜48kHz(内部の処理は48kHzが基本)
- 入れ物
- Ogg、WebM、MKV、MP4
- ライセンス
- オープンでロイヤリティフリー
YouTubeからダウンロードした動画や、ブラウザで録音したファイルを開くと、音声が「Opus」になっていて編集ソフトに読み込めないことがあります。Opusはネット上のやり取りのために作られたコーデックで、Web配信やビデオ通話の裏側では標準的に使われていますが、映像制作のソフトでは対応が分かれます。
Opusが使われる場面
いちばん身近なのは、ビデオ通話とブラウザのリアルタイム通信です。WebRTCではOpusが必ず実装すべき音声コーデックとして定められており、ブラウザ同士の通話やWeb会議、WHIPを使った低遅延のライブ配信では、音声の多くがOpusで送られています。Discordのようなボイスチャットのサービスでも使われています。
動画配信では、YouTubeがWebM形式の動画の音声にOpusを使っています。ブラウザで再生するときは、画面の裏でAACの音声とOpusの音声のどちらかが選ばれています。ブラウザの録音機能(MediaRecorder)で作ったWebMファイルの音声も、多くの場合Opusです。
放送やMAの工程でOpusが指定されることはほとんどありません。映像制作の現場では、Web由来の素材を受け取ったときや、Web会議の録画を編集するときに出会う形式です。
Opusの仕組みと特徴
Opusは、Skypeで使われていた音声向けの技術(SILK)と、Xiph.Orgが開発した音楽向けの技術(CELT)を組み合わせて作られました。ビットレートや内容に応じて2つを切り替えるので、6kbpsの会話から510kbpsのステレオ音楽まで1つの方式で扱えます。
最大の特徴は遅延の小ささです。標準の20ミリ秒のフレームなら、先読みの分を足したアルゴリズム上の遅延は26.5ミリ秒で、会話の間が崩れにくい水準です。ネットワークの状態に合わせて通話中にビットレートを変えられることも、通信用に向いている理由です。
Opusの音声を編集ソフトに読み込めないとき
Premiere ProなどOpusの音声を読み込めない編集ソフトがあり、映像だけが入って音が出ない症状になります。この場合は、FFmpegなどで音声をWAVかAACに変換してから読み込みます。映像も含めて扱いたいなら、MKVやWebMのままではなく、MP4(H.264とAAC)に変換してしまうのが早道です。
Opusは内部で48kHzを基本に処理するため、44.1kHzの音源をOpusにすると、デコードしたときに48kHzで出てくるのが普通です。音楽素材をOpus経由でやり取りした場合は、タイムラインのサンプリング周波数と合っているかを確認します。非可逆圧縮なので、WAVに戻しても元の音質には戻りません。
よくある質問
Opusファイルはどうやって再生できますか
VLCやブラウザ(Chrome、Firefox、Edgeなど)で再生できます。拡張子が .opus のファイルは、中身がOggに入ったOpusなので、Ogg Opusに対応したプレイヤーで開けます。
OpusとAACはどちらが音質が良いですか
低いビットレートではOpusのほうが有利という評価が一般的で、特に会話の音声で差が出ます。十分なビットレートがあれば差は小さく、選び方は再生する機器やサービスがどちらに対応しているかで決まります。
OpusをMP3やWAVに変換できますか
FFmpegや音声変換ソフトで変換できます。WAVへの変換は編集用に向いていますが、Opusで失われた情報は戻らないため、元の音源があればそちらから作り直すほうが音質は保てます。
似ている形式との違い
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