AC-3.ac3
Dolby Digital / エーシースリー
ドルビーデジタルの名で知られる、ドルビーラボラトリーズの非可逆の音声圧縮方式です。5.1チャンネルのサラウンドを最大640kbpsに収め、DVD、ブルーレイ、米国のデジタル放送で標準的に使われてきました。
- 拡張子
- .ac3(単体の音声ファイルの場合)
- 開発
- ドルビーラボラトリーズ(1991年に映画用として登場)
- 規格
- ATSC A/52、ETSI TS 102 366
- MIMEタイプ
- audio/ac3
- チャンネル数
- モノラルから5.1チャンネルまで
- サンプリング周波数
- 32kHz、44.1kHz、48kHz
- ビットレート
- 32〜640kbps(DVDでは最大448kbps)
映画のブルーレイから取り出した音声や、海外で作られた動画ファイルを開くと、音声の欄に「AC-3」と表示されて音が出ないことがあります。AC-3はドルビーのライセンスが絡む圧縮方式なので、再生ソフトや編集ソフトによって対応が分かれるからです。
AC-3が使われる場面
いちばん身近なのは、DVDとブルーレイの音声トラックです。DVDの5.1チャンネル音声の多くはAC-3で、映画館の35mmフィルムにもサウンドトラックの一つとして焼き込まれていました。米国のATSC方式のデジタル放送や、欧州のDVB方式の一部でも、サラウンドの放送音声にAC-3が使われています。
日本の地上デジタル放送とBS放送はMPEG-2 AAC(AAC)を採用しているため、国内の放送波にAC-3が乗ることはありません。国内の制作現場でAC-3に触れるのは、ディスクのオーサリング、海外向けの納品、配信サービス向けのサラウンド音声を作るときがほとんどです。
MAの工程では、ミックスした5.1チャンネルのWAVを最後にエンコーダーでAC-3にします。このとき、会話の平均レベルを示すダイアログノーマライゼーション(dialnorm)という値を一緒に書き込みます。再生機器はこの値を見て音量をそろえるので、ラウドネスの管理と切り離せないパラメーターです。
AC-3の再生方法と開き方
再生だけならVLCで開けることが多く、MediaInfoで見ると「Format: AC-3」「Channel(s): 6 channels」のように表示されます。.ac3 の単体ファイルのほか、MKVやMP4、VOBの中に音声トラックとして入っている形でも出会います。
テレビやAVアンプにHDMIや光デジタルでつなぐと、機器側でデコードして5.1チャンネルで鳴らせます。パソコン側で2チャンネルにダウンミックスされるか、そのまま機器に渡すか(ビットストリーム出力)は再生ソフトの設定で変わります。
AC-3をWAVやAACに変換するときの注意
編集ソフトによってはAC-3の音声を読み込めず、映像だけがタイムラインに並ぶことがあります。そのときはFFmpegなどで音声をWAV(リニアPCM)に書き出してから読み込むのが確実です。一度デコードしたAC-3は元のミックスには戻らないので、手元にマスターのWAVがあるならそちらを使います。
5.1チャンネルを2チャンネルに変換すると、エンコード時に指定したダウンミックス係数に従ってセンターとサラウンドが混ぜられます。会話が小さく聞こえる場合は、ダウンミックスの設定か、dialnormの値が実際の音量と合っていないことを疑います。
よくある質問
AC-3とドルビーデジタルは同じものですか
同じものです。AC-3は規格上の名前で、ドルビーデジタル(Dolby Digital)は製品やロゴとしての名前です。ATSC A/52という文書で仕様が公開されています。
AC-3の音声が再生できないのはなぜですか
再生ソフトやOSにAC-3のデコーダーが入っていないのが主な原因です。VLCのようにデコーダーを内蔵したソフトで開くか、音声をAACやWAVに変換すれば聞けます。
AC-3とAACはどちらが音質が良いですか
同じビットレートで比べるとAACのほうが効率が良いとされますが、DVDやブルーレイの448〜640kbpsのAC-3なら聞き分けは難しい水準です。選び方は音質よりも、再生先の機器や規格がどちらを求めているかで決まります。
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