音声形式収録編集MA・音声納品アーカイブ

WAV.wav

Waveform Audio File Format / ウェーブ

音声を主に非圧縮のリニアPCMで保存するファイル形式です。MicrosoftとIBMが1991年に定めたRIFFという入れ物の一種で、映像制作やMAでは48kHz・24bitのWAVが音声の受け渡しの標準になっています。

拡張子
.wav
策定
MicrosoftとIBM(1991年、RIFFの一種として)
MIMEタイプ
audio/wav(IANAの登録名は audio/vnd.wave)
中身の音声
通常はリニアPCM(非圧縮)。ADPCMなど圧縮した音声も格納できる
映像制作での標準的な設定
48kHz、24bit
ファイルサイズの上限
4GB(それを超える用途にはRF64やBW64)
放送向けの拡張
BWF(EBU Tech 3285)

MAスタジオや音響効果の担当から「音はWAVでください」と言われるのは、WAVの中身がほぼ例外なく非圧縮のリニアPCMで、何度読み書きしても音が変わらないからです。ただし同じ .wav でもサンプリング周波数やビット数はいろいろで、映像の現場では48kHz・24bitを指定するのが一般的です。

WAVファイルが使われる場面

映像制作では、音声を受け渡すほぼすべての場面でWAVが使われます。撮影現場の録音機はWAVで記録し、編集からMAへ音を渡すときも、MAで仕上げた音を編集に戻すときもWAVです。テレビ番組の納品では、完成した音声をステレオやモノラルのWAVで別に求められることもあります。

ナレーション収録や効果音のライブラリ、BGMの素材もWAVで配布されるのが基本です。音楽用のCDは44.1kHz・16bitなので、CD由来の音源を映像に使うときは、編集ソフトの中で48kHzへ変換されることになります。

放送局のアーカイブや保存用途でも、圧縮による劣化がないことからWAVが選ばれます。撮影現場の録音機が書き出すWAVの多くは、タイムコードの情報を持ったBWFという拡張版です。

WAVの仕組みと容量

WAVは、RIFFという汎用の入れ物の中に、音声の形式を示す部分と音声データの部分を並べた単純な構造です。非圧縮なので、容量はサンプリング周波数、ビット数、チャンネル数の掛け算で決まります。48kHz・24bitのステレオなら、1分でおよそ17MB、1時間でおよそ1GBです。

サイズを記録する欄が32bitなので、1つのファイルは4GBまでしか扱えません。多チャンネルで長時間録ると、この上限に届きます。上限を超える用途には、欄を64bitに広げたRF64(EBU Tech 3306)や、それをもとにしたBW64(ITU-R BS.2088)が使われます。

WAVに変換・書き出すときの設定

映像に使う音声なら、サンプリング周波数は48kHz、ビット数は24bitを選べば、ほとんどの納品仕様に合います。16bitは音楽CDの規格で、映像の仕上げでは余裕が小さい設定です。

MP3やAACからWAVに変換しても、音質は元に戻りません。容量が増えるだけなので、圧縮音声をWAVにするのは、編集ソフトやMAの受け入れ形式に合わせる必要があるときに限られます。

書き出し前にはラウドネスの基準も確認してください。放送の納品ではWAVの形式だけでなく、番組全体の音量の値も指定されています。

WAVが開けない・再生できないとき

拡張子が .wav でも、中身がリニアPCMでないことがあります。古い録音機やボイスレコーダーのADPCM、電話システムのμ-law、MP3を格納したWAVなどは、編集ソフトによっては読み込めません。MediaInfoで形式を確かめ、PCMでなければAudacityやFFmpegでリニアPCMのWAVに変換すると扱えるようになります。

4GBを超えたファイルが途中までしか読めない場合は、RF64やBW64で書かれている可能性があります。対応したソフトで開くか、書き出し元で分割してもらってください。

よくある質問

WAVとMP3はどちらが音質が良いですか

WAVです。WAVは通常非圧縮で元の音をそのまま保存し、MP3は人に聞こえにくい成分を削って容量を小さくしています。映像の編集や納品にはWAV、試聴や共有にはMP3と使い分けるのが一般的です。

WAVファイルはiPhoneで再生できますか

iPhoneのファイルアプリなどで再生できます。容量が大きいので、メールやメッセージで送るときはAACなどに変換したほうが扱いやすくなります。

WAVの48kHzと44.1kHzはどちらを選べばいいですか

映像に使うなら48kHzです。テレビ放送や映像の編集は48kHzが標準で、44.1kHzは音楽CDの規格です。

似ている形式との違い

名前主に使う場面WAVとの違い
BWF収録・MA・放送の音声WAVにタイムコード位置や説明文などの情報を足した放送向けの拡張。拡張子は同じ.wav
AIFFMac・音楽制作Appleが作った非圧縮の形式。音質は同等で、中身の並び順とメタデータの持ち方が違う
MP3音楽配信・試聴用128kbpsならCD音質の約10分の1の容量になる代わりに音が変わる。編集や納品の素材には向かない

関連する用語

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