音声形式納品送出配信

AAC.aac.m4a.mp4

Advanced Audio Coding / エーエーシー

MP3の後継としてMPEGで規格化された、非可逆圧縮の音声コーデックです。MP4の動画やYouTube、HLS配信の音声、日本の地上デジタル放送の音声まで、映像に付く音の圧縮形式として最も広く使われています。

規格
ISO/IEC 13818-7(MPEG-2 AAC)、ISO/IEC 14496-3(MPEG-4 AAC)
策定団体
ISO/IECのMPEG
主なプロファイル
AAC-LC、HE-AAC(v1)、HE-AAC v2
MIMEタイプ
audio/aac(ADTS形式)、audio/mp4(MP4に格納したもの)
主な入れ物
MP4、M4A、MOV、TS、ADTS(拡張子.aac)
日本の放送での採用
地上デジタル放送はMPEG-2 AAC、新4K8K衛星放送はMPEG-4 AAC(22.2chまで)
YouTubeの推奨
AAC-LC、48kHz、ステレオなら384kbps

スマートフォンで撮った動画、YouTubeにアップロードするMP4、テレビの地上デジタル放送。どれも音声の多くはAACで圧縮されています。AACは映像に付く音の事実上の標準で、配信や放送に出す段階では、ほとんどの場合AACに変換されます。一方で、圧縮で音を削っている形式なので、編集やMAの素材には向きません。

AACが使われる場面

Web動画では、MP4の音声としてAACを使うのが基本です。YouTubeはアップロードの推奨設定として、AAC-LC、サンプリング周波数48kHz、ステレオなら384kbpsを挙げています。Premiere ProやDaVinci ResolveでH.264のMP4を書き出すと、特に設定しなくても音声はAACになります。

ライブ配信やオンデマンド配信でも同じです。HLSで配信する映像の音声はAACが一般的で、画質ごとに用意する複数の品質の映像に、共通のAACの音声を組み合わせる構成がよく使われます。仕組みはHLSとMPEG-DASHの違いで解説しています。

日本の放送では、地上デジタル放送の音声がMPEG-2 AACで送られています。放送波のTSの中にAACの音声が多重されていて、ワンセグには低いビットレートでも音質を保てるHE-AACが使われています。新4K8K衛星放送ではMPEG-4 AACが採用され、8Kの22.2チャンネル音響もAACで運ばれます。

AACの仕組みとプロファイル

AACは、人の耳に聞こえにくい音の成分を削って容量を小さくする非可逆圧縮です。一度AACにした音は元に戻らず、AACから別の圧縮形式へ変換するたびに劣化が重なります。

主なプロファイルは次の3つです。

  • AAC-LC:最も一般的な形式。128kbps以上のステレオで広く使われる
  • HE-AAC:高い音域を少ないデータで補うSBRという技術を加え、低いビットレートでの音質を上げたもの
  • HE-AAC v2:さらにステレオの広がりを少ない情報で表すPSを加えたもの

映像の書き出しでは、互換性の高いAAC-LCを選ぶのが基本です。HE-AACは、ネットラジオや帯域の細い配信のように、ビットレートを大きく下げたい場面で使われます。

AACに書き出すときの設定

サンプリング周波数は映像に合わせて48kHzにします。ビットレートは、ステレオなら192kbps以上にしておくと、配信サービス側での再圧縮を経ても音の荒れが目立ちにくくなります。書き出しの前にラウドネスを配信先の基準に合わせておくことも大切です。

MAへ渡す音や、編集の素材として保存する音は、AACではなくWAVで持っておきます。AACの音声しか残っていないと、あとで直すたびに劣化が進みます。

AACが再生できない・音が出ないとき

.aac という拡張子のファイルは、MP4などの入れ物に入っていない、AACの音声を並べただけの形式です。編集ソフトによっては読み込めないので、FFmpegなどでM4AやWAVに変換すると扱えるようになります。映像は再生されるのに音が出ない場合は、AACではなくAC-3などが入っている可能性があるので、MediaInfoで音声の形式を確かめてください。

よくある質問

AACとMP3はどちらが音質が良いですか

同じビットレートなら、AACのほうが音質で有利とされています。AACはMP3より後に、同じMPEGのもとで改良版として作られた方式です。

AACのビットレートはどれくらいにすればいいですか

映像に付けるステレオ音声なら192〜320kbpsが目安です。YouTubeはステレオで384kbpsを推奨しています。

AACは地デジの音声にも使われていますか

使われています。日本の地上デジタル放送の音声はMPEG-2 AACで、新4K8K衛星放送ではMPEG-4 AACが使われています。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面AACとの違い
MP3音楽ファイル・ポッドキャストAACより前の世代の圧縮方式。同じビットレートならAACのほうが音質で有利とされる
OpusWeb会議・WebRTC・YouTubeの配信音声低い遅延と低いビットレートに強い。放送の規格には入っていない
AC-35.1chサラウンド・Blu-rayドルビーの圧縮方式。サラウンドの配布ではAC-3やE-AC-3が指定されることがある

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