FLAC.flac
Free Lossless Audio Codec / フラック
音質を一切落とさずにWAVなどの音声データを小さくする、可逆圧縮の音声形式です。展開すれば元のデータに完全に戻るため、ハイレゾ音源の配信や音楽の保存に広く使われています。仕様はオープンで、IETFがRFC 9639として標準化しています。
- 拡張子
- .flac
- 圧縮の種類
- 可逆圧縮(展開すると元のPCMデータと完全に一致する)
- 規格
- IETF RFC 9639(2024年)
- MIMEタイプ
- audio/flac
- 管理
- Xiph.Org Foundation(リファレンス実装はオープンソース)
- チャンネル数
- 1〜8チャンネル
- ビット深度
- 4〜32ビット
ハイレゾ音源を買ったらFLACで届いた、動画に使おうとしたら編集ソフトに読み込めなかった。FLACで困る場面の多くは、音楽用として広まった形式を映像の工程に持ち込んだときに起きます。中身は無劣化なので、WAVに戻せば音質を落とさずに解決できます。
FLACが使われる場面
いちばん多いのは音楽の配信と保存です。moraなどのハイレゾ配信サイトでは、24ビット・96kHzや192kHzの音源がFLACで販売されています。CDを取り込んで保存する人にも定番の形式で、アルバム名やジャケット画像をファイルの中に持てることが好まれています。
映像の世界では、MKVに入った動画の音声トラックとして見かけることがあります。一方で、放送やMAの現場の素材はWAVやBWFが基本です。FLACにはタイムコードや収録情報を入れる決まった場所がなく、編集ソフトやオーディオ機材の対応もWAVほど揃っていないためです。映像の制作でFLACに触れるのは、音楽素材を受け取るときや、収録音源を長期保存用に小さくするときが中心になります。
FLACの仕組みと音質
FLACは、音声の波形を予測してその差分だけを記録する方式で、元のデータを1ビットも失わずにサイズを縮めます。どれだけ小さくなるかは音源によって変わり、元の半分から7割程度になることが多いです。
エンコーダーには圧縮レベル(0〜8)の設定がありますが、変わるのはファイルの大きさと処理時間だけで、音質はどのレベルでも同じです。ビット深度とサンプリング周波数は元のまま保たれるので、16ビット・44.1kHzのCD音源から作ったFLACを「ハイレゾ」と呼ぶことはできません。音質の上限は元のビット深度とサンプリング周波数で決まります。
FLACの再生方法と開けないとき
Windows 10以降とAndroidは標準で再生でき、VLCやfoobar2000でも開けます。iPhoneはファイルアプリで再生できますが、MacとiPhoneのミュージックアプリはFLACを取り込めないため、Apple製品で音楽ライブラリに入れたいならALACへの変換が必要です。
動画編集ソフトやDAWの中には、FLACを読み込めないものがあります。その場合はFFmpegや音楽管理ソフトでWAVに変換します。可逆圧縮なので、変換しても音質は変わりません。ただし、WAVにするとアルバム名やジャケット画像などのタグ情報は抜け落ちるので、管理に必要なら元のFLACも残しておきます。
よくある質問
FLACとWAVはどちらが音質が良いですか
音質は同じです。FLACはWAVの中身を無劣化で圧縮しているだけなので、再生すると同じデータになります。違いはファイルの大きさと、編集ソフトや機器の対応範囲です。
FLACとMP3の違いは何ですか
MP3は聞こえにくい成分を削って小さくする非可逆圧縮で、元のデータには戻りません。FLACは可逆圧縮なので、ファイルはMP3より大きくなりますが、元の音をそのまま保てます。
FLACを動画に使うにはどうすればよいですか
編集ソフトが読み込めないときは、WAVに変換してからタイムラインに置くのが確実です。書き出しの際は、配信先に合わせてAACなどの形式でエンコードされます。
似ている形式との違い
関連する用語
最終更新