VP9
ブイピーナイン
Googleが開発し、2013年に仕様を固めた特許料のかからない動画圧縮方式です。YouTubeの4KやHDRの配信、WebMファイル、WebRTCで使われ、VP8やH.264より少ないデータ量で同じ画質を出せます。
- 開発
- Google(WebMプロジェクト)
- 仕様の確定
- 2013年
- ライセンス
- ロイヤリティフリー。実装のlibvpxはBSDライセンス
- プロファイル
- Profile 0(8bit・4:2:0)、Profile 1(8bit・4:2:2と4:4:4)、Profile 2(10/12bit・4:2:0)、Profile 3(10/12bit・4:2:2と4:4:4)
- 入れ物(コンテナ)
- WebM、MKV、MP4
- MP4・WebMでの識別子
- vp09
- 主な実装
- libvpx(エンコーダ・デコーダ)、FFmpegのデコーダ
YouTubeの動画を保存したら拡張子が.webmで、編集ソフトに読み込めなかった。このとき中の映像はVP9であることが多いです。VP9はブラウザで見るための方式として作られたので、ブラウザでは素直に再生できても、編集や放送の道具とは相性がよくありません。
VP9が使われる場面
いちばん大きな使い手はYouTubeです。YouTubeは多くの端末に向けてVP9で配信しており、2160pの4Kや、HDRの動画もVP9のProfile 2(10bit)で届けています。YouTubeの「詳細統計情報」でコーデックの欄に vp09 と出ていれば、VP9で再生されています。配信はMPEG-DASHの仕組みで、解像度ごとに複数のVP9の段階が用意されています。
WebMファイルの映像もVP9が中心です。ブラウザのMediaRecorderで画面や会議を録画した場合や、Webの素材サイトから落とした短い動画が.webmになっているのはこのためです。
WebRTCでもVP9が使えます。1本のストリームの中に解像度やフレームレートの違う層を重ねて送る仕組みを持っているため、参加者ごとに回線の太さが違うWeb会議で重宝されます。
VP9のWebMファイルの開き方と再生
Chrome、Edge、Firefoxなら、ファイルをブラウザの画面に落とすだけで再生できます。VLCも標準で開けます。Windowsの標準アプリで開けない場合は、Microsoft Storeの「VP9 ビデオ拡張機能」が入っているかを確認します。
macOSのQuickTime Playerは.webmを開けません。Macで確認するならブラウザかVLCを使います。
VP9をMP4やMOVに変換するとき
編集ソフトによってはWebMをそのまま読み込めないため、H.264のMP4や、編集用のProRes・DNxHRに変換してから取り込むのが確実です。変換では次の点に気を付けます。
- 音声はOpusかVorbisで入っていることが多い。MP4に移すならAACに変換しておくと、どの再生環境でも音が出る
- ブラウザで録画したWebMは可変フレームレートで、長さの情報が入っていないことがある。固定フレームレートを指定して変換すると編集ソフトでずれにくい
- HDRのVP9をSDRの環境向けに変換するときは、色空間の変換を指定しないと白っぽく浅い色になる
VP9をMP4に入れること自体は仕様上できますが、再生できる環境はH.264のMP4より限られます。
よくある質問
VP9とH.264ではどちらが画質が良いですか
同じビットレートならVP9の方が画質は良く、同じ画質ならVP9の方がデータ量は少なくなります。その代わり、古い機器ではハードウェアで復号できずに再生が重くなることがあります。
YouTubeの動画はVP9とAV1のどちらで再生されていますか
端末と回線、動画ごとに変わります。AV1の復号に対応した端末ではAV1が選ばれることがあり、そうでなければVP9やH.264で届きます。どれで再生されているかは「詳細統計情報」で確認できます。
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似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | VP9との違い |
|---|---|---|
| VP8 | WebRTC・古いWebM | VP9の前の世代。8bit・4:2:0だけで、HDRは扱えない |
| AV1 | YouTube・Netflixの配信 | VP9の技術を引き継いだ後継。圧縮効率はさらに高いがエンコードが重い |
| H.265 / HEVC | 4K放送・iPhone | 圧縮効率は近いが特許料がかかる。Apple製品やテレビでの対応が中心 |
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