ハコ割り
ハコワリ
台詞やナレーションを、字幕として一度に表示する単位(ハコ、1枚)ごとに区切る作業のことです。1枚に入る文字数と表示時間の上限、話者の交代、カットの変わり目を見ながら、どこで切って何枚に分けるかを決めます。
- 読み
- はこわり
- 別表記
- 箱割り、ハコ書き
- ハコの意味
- 一度に表示される字幕1枚分
- 工程
- 字幕制作(書き起こしの後、タイミング付けの前後)
- 決める要素
- 1行の文字数、行数、表示時間、話者、カット点
- 英語圏での近い作業
- subtitle segmentation、spotting
字幕の書き起こしが終わっても、そのままでは字幕になりません。長い台詞を画面に一度に出せる分量に区切り、枚数を決める作業が要ります。それがハコ割りで、読みやすさの大半はここで決まります。
ハコ割りが使われる現場
字幕制作では、画面に一度に出る字幕1枚を「ハコ」と呼びます。ハコ割りは、書き起こした文章をハコに分けていく作業です。
映画やドラマの翻訳字幕では、翻訳者が映像を見ながら台詞の切れ目を決め、1枚ごとに訳を当てていきます。テレビの字幕放送では、番組の音声を書き起こしたあと、局ごとの字幕ルールに合わせて1枚あたりの行数と文字数を守りながら区切ります。YouTubeやSNSの動画に付ける字幕でも、SRTやWebVTTの1つのキューが1枚のハコに当たります。
ハコ割りと一緒に行うのが、字幕を出す時刻と消す時刻を決めるスポッティング(タイミング付け)です。どちらを先にするかは現場やソフトによって違い、区切りとタイミングを行き来しながら詰めていくことが多いです。
ハコ割りの決め方
区切る位置は、いくつかの条件を同時に満たすように決めます。主な条件は次の通りです。
- 1行の文字数と行数が上限に収まる。日本の字幕放送では、1行の文字数の上限が局や番組ごとに決められている
- 読み切れる表示時間がある。映画字幕では「1秒4文字」が目安として長く使われてきた
- 1枚には1人の話者の台詞だけを入れる
- 映像のカットが切り替わる位置をまたいで字幕を出しっぱなしにしない
- 意味のまとまりの途中で切らない。文節や句の切れ目で区切る
短い台詞を無理に1枚へ詰めると読み切れず、細かく割りすぎると画面が落ち着きません。同じ台詞でも、話す速さや前後の間によって最適な枚数が変わります。
ハコ割りで起きやすいトラブル
翻訳字幕でよく起きるのは、原語のハコ割りをそのまま使って訳文を流し込むことです。日本語で1枚に収まっていた台詞が英語では2枚必要になったり、その逆が起きたりするので、訳したあとに割り直す工程が要ります。この問題は動画字幕のAI翻訳で崩れる場所|改行・ハコ割り・表示時間で詳しく扱っています。
音声認識で自動生成した字幕も、ハコ割りの品質で読みやすさが大きく変わります。認識の区切りは息継ぎや無音で決まることが多く、意味の切れ目とずれるためです。自動で割ったあとに、人が文節の切れ目と話者の交代を確認する運用が一般的です。
放送用の字幕は、ARIB STD-B36などの形式で局に納品します。形式に変換した段階で1行の文字数が上限を超えていると差し戻されるので、書き出す前に機械で文字数を数えておくと手戻りが減ります。
よくある質問
ハコ割りと箱割りは同じ意味ですか
同じ意味です。字幕1枚を「ハコ(箱)」と呼ぶことから来た言葉で、カタカナと漢字の両方の表記が使われます。翻訳の現場では「ハコ書き」と呼ぶこともあります。
字幕の1枚は何秒表示すればよいですか
一般的には1秒弱から7秒程度の範囲に収めます。文字数が多いほど長く出す必要があり、映画字幕では1秒あたり4文字が読み切れる目安とされてきました。
ハコ割りは自動でできますか
字幕制作ソフトやAIの字幕生成には、指定した文字数と行数で自動的に区切る機能があります。ただし意味の切れ目や話者の交代まで正確に判断できるとは限らないため、仕上げでは人が確認します。
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似ている用語との違い
| 名前 | 主に使う場面 | ハコ割りとの違い |
|---|---|---|
| 焼き付け字幕 | 映像に固定する字幕 | 字幕の出し方の種類。ハコ割りはどの出し方でも必要な、字幕の区切りを決める作業 |
| 箱書き(脚本) | 脚本の構成づくり | 脚本で場面ごとの内容を箱に書き出して構成を練る作業。字幕のハコ割りとは別の意味 |
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