Zixi
ジクシー
米国のZixi社が提供する、インターネットやクラウドを経由して放送品質のライブ映像を送るための独自プロトコルと製品群です。再送と誤り訂正を組み合わせて映像の欠けを防ぎ、AWS Elemental MediaConnectでも使えます。
- 提供元
- Zixi社(米国マサチューセッツ州ウォルサム)
- 種別
- 独自の伝送プロトコルと、それを使う製品群
- 下位の通信
- UDP
- 損失への対処
- 再送(ARQ)と前方誤り訂正(FEC)の組み合わせ
- 主な製品
- Zixi Broadcaster(送受信・中継)、ZEN Master(集中管理)
- 対応するクラウドサービスの例
- AWS Elemental MediaConnect(Zixi push、Zixi pull)
- ほかのプロトコルとの併用
- SRT、RIST、RTMPなども扱える
スポーツ中継の配信や番組の局間伝送で、「受けはZixiでお願いします」と指定されることがあります。Zixiはプロトコルの名前であると同時に会社の名前で、SRTやRISTのように仕様を公開した規格ではありません。送信と受信のソフトウェア、それらをまとめて監視する管理画面を一式で提供する、有償の仕組みです。
Zixiが使われる場面
多いのは、1つの映像を多数の受け手に届ける配信です。スポーツの試合映像を放映権を持つ複数の放送局や配信事業者へ送る、系列局へ番組を送るといった用途で、衛星回線の代わりにインターネットを使う構成として採用されます。受け手ごとに回線の状態が違っても、それぞれに合わせて再送や誤り訂正の量を調整できる点が評価されています。
クラウドとの組み合わせでは、AWS Elemental MediaConnectがZixiでの送受信に対応しています。現場のエンコーダーからZixiでMediaConnectに送り、そこからAWS Elemental MediaLiveで変換してHLSで配信する、という流れが組めます。多数のストリームを扱う事業者では、ZEN Masterでストリームの状態や回線の品質を1つの画面から監視する運用が行われています。
Zixiの仕組み
ZixiはUDPで映像を送り、欠けたパケットを再送で取り戻す方式と、あらかじめ冗長データを足しておく前方誤り訂正(FEC)を組み合わせています。回線の混み具合を見ながら送り方を変えるので、遅延の設定値の範囲で映像の欠けを抑えられます。暗号化にも対応しています。
接続の向きには、送り手から受け手へ押し込むpushと、受け手が送り手に取りに行くpullがあります。MediaConnectの説明では、pushは固定のグローバルIPアドレスを持つ受け手に送る場合、pullはファイアウォールの内側にいる受け手に送る場合に使うとされています。Zixi BroadcasterはSRTやRIST、RTMPも扱えるので、送り手ごとに違うプロトコルで受けてまとめる中継点としても使われます。
Zixiの設定で間違えやすい点
Zixiの接続でつまずくのは、主に次のような点です。
- pushとpullを取り違えて、どちらも接続を待っている状態になる
- 受け手がpushで受けるのに、ファイアウォールで受信用のポートを開けていない
- ストリームIDや暗号化の鍵が送り手と受け手で一致していない
- 遅延の設定を回線に対して短くしすぎ、再送が間に合わずに映像が欠ける
有償の製品なので、どの機能がどのライセンスに含まれるかも事前に確かめておく必要があります。AWSの伝送サービスの中でのZixiの位置づけはAWS Media Servicesとは?MediaLiveなど放送・配信基盤の構成要素を解説で扱っています。
よくある質問
Zixiは無料で使えますか
Zixi社の製品は有償で、利用にはライセンスが必要です。AWS Elemental MediaConnectのようにZixiに対応したクラウドサービスを使う方法もあり、その場合の費用はサービスごとの料金体系によります。
ZixiとSRTの違いは何ですか
SRTはオープンソースで、誰でも無償で実装して使えるプロトコルです。Zixiは独自のプロトコルに加えて、多数のストリームを監視・管理する製品やサポートまで含めて提供される点が違います。
Zixiで受けた映像をHLSで配信するにはどうすればよいですか
Zixi BroadcasterやMediaConnectで受けた映像を、エンコーダーやAWS Elemental MediaLiveのような変換サービスに渡してHLSに変換します。Zixiは送り届けるまでを受け持つ仕組みなので、視聴者向けの形式への変換は別の工程になります。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
関連する用語
最終更新
