AWS Elemental MediaConnect
メディアコネクト
ライブ映像のトランスポートストリームを、SRTやZixi、RIST、RTPでAWSのクラウドへ運び込み、別の拠点や別のAWSアカウントへ受け渡す伝送サービスです。中継回線や素材の分配をクラウド上に置き換えるときに使われます。
- 提供元
- Amazon Web Services
- 種別
- ライブ映像の伝送(コントリビューション・分配)
- 基本の単位
- フロー(1つのソースから複数の出力へ)
- 対応プロトコル
- SRT(Listener / Caller)、Zixi、RIST、RTP、RTP-FEC、NDI
- 非圧縮・軽圧縮の伝送
- AWS CDI、ST 2110 JPEG XS(CDIフロー)
- ソースの冗長化
- 2系統のソースでMerge(ST 2022-7)またはFailover
- 他アカウントへの受け渡し
- エンタイトルメント
- 出力の上限
- トランスポートストリームのフロー1つにつき50
MediaLiveと並んで名前が出てくるMediaConnectは、映像を圧縮し直さずに「運んで、分ける」だけのサービスです。中継現場や局舎からクラウドへの入口になり、受けた1本の映像を複数の行き先へ配ります。専用線や衛星で組んでいた素材の中継と分配を、インターネットとクラウドで置き換える部品と考えると位置づけがつかめます。
MediaConnectの現場での使われ方
代表的なのは、スポーツ中継の素材分配です。中継会場のエンコーダーから1本の映像をMediaConnectに送り、そこから複数の放送局や配信事業者へ出力します。受け手が別のAWSアカウントを持っていれば、エンタイトルメントで映像を共有し、受け手側が自分のフローで受け取ります。
局舎からクラウドのMediaLiveへ映像を打ち上げる入口としても使われます。ファイアウォールの内側にある受信機(IRD)へ送るならZixi pull、固定のグローバルIPアドレスを持つ受信機へ送るならZixi push、というように、受け手の環境に合わせて出力のプロトコルを選べます。
NDIに対応したフローもあり、クラウド上のNDI対応の制作システムと、従来のトランスポートストリームの伝送をつなぐ使い方もできます。
MediaConnectの基本の使い方・構成例
フローを作るときは、名前、アベイラビリティーゾーン、ソース(受け口)を決めます。その後に出力を足し、フローを開始します。
中継車からの配信で組まれる構成例は次の通りです。
- 中継車のエンコーダーをSRT Callerにし、MediaConnectのフローをSRT Listenerのソースで受ける
- 出力1はMediaLiveの入力へ渡し、配信用に作り直す
- 出力2はZixi pullで局のIRDへ送り、確認用や素材として使う
- エンタイトルメントで提携先のAWSアカウントへ同じ映像を共有する
2つの経路で同じ映像を送れる場合は、ソースを2つ登録します。MergeモードではSMPTE ST 2022-7の考え方で欠けたパケットをもう一方から補い、Failoverモードでは片方の受信が500ミリ秒途絶えるともう一方に切り替わります。
MediaConnectでつまずきやすい点
SRT Listenerのソースや出力は、同時に1つのCallerからの接続しか受けません。同じフローへ2台のエンコーダーから同時に送ろうとしても、つながるのは1台だけです。
暗号化の対応はプロトコルで違います。RTP、RTP-FEC、RISTのソースと出力では、MediaConnectの暗号化を使えません。インターネット越しに暗号化して運びたいなら、SRTかZixiを選びます。
冗長化のMergeモードは、2つのソースが同じエンコーダーから出た、ビット単位で同一のストリームであることが条件です。別々のエンコーダーで作った2本を送る場合はFailoverモードを使います。なお、SRTのソースで選べるのはFailoverモードだけです。フローは作成時に選んだ1つのアベイラビリティーゾーンで動くので、ゾーン単位の障害まで考えるなら、フローを別のゾーンにもう1本用意する設計が必要です。
よくある質問
MediaConnectとMediaLiveの違いは何ですか
MediaConnectは映像をそのまま運んで分け、MediaLiveは映像を配信用に圧縮し直します。両者を組み合わせ、MediaConnectで受けた映像をMediaLiveに渡す構成が一般的です。
MediaConnectにSRTで映像を送れますか
送れます。フローのソースをSRT Listenerにすればエンコーダーから送り込めて、SRT Callerにすれば、MediaConnectのほうから相手のListenerへ接続して受け取ります。プロトコルそのものの仕組みはSRTプロトコルとは?字幕ファイルのSRTとの違いと低遅延ライブ伝送の仕組みで解説しています。
MediaConnectで非圧縮の映像を運べますか
AWSのクラウド内では、CDIフローで非圧縮の映像や、JPEG XSで軽く圧縮した映像を扱えます。地上の拠点からインターネット越しに送る場合は、H.264などで圧縮したトランスポートストリームを運ぶのが基本です。
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似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | AWS Elemental MediaConnectとの違い |
|---|---|---|
| SRT(伝送プロトコル) | インターネット越しのライブ伝送 | 映像を運ぶための通信の約束事。MediaConnectはSRTなどを受け口・送り口に使うクラウド上の中継点 |
| AWS Elemental MediaLive | ライブのエンコード | 映像を配信用に圧縮し直す。MediaConnectは中身に手を付けずに運んで分ける |
| Zixi | 放送局間の素材伝送 | 伝送プロトコルとその製品群。MediaConnectはZixiのプッシュとプルに対応している |
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