配信・伝送収録配信

NDI

Network Device Interface / エヌディーアイ

LAN上で映像・音声・タリーなどを低遅延でやり取りするための映像伝送技術です。NewTekが2015年に発表しました。配信スタジオやイベントの現場で、SDIケーブルの代わりにネットワークで映像を回すときに使われます。

正式名称
Network Device Interface
開発元
NewTek(2015年発表)。現在はVizrtグループのNDI社
方式の種類
NDI High Bandwidth(フル帯域)、NDI HX(H.264やHEVCで圧縮)
帯域の目安
NDI High Bandwidthの1080p60で1本あたり最大150Mbps程度
機器の検出
同一ネットワーク内の自動検出(mDNS)、Discovery Server
規格の性質
NDI社の独自技術。開発用のSDKは無償で公開
主な対応ソフト
vMix、TriCaster、NDI Tools、OBS Studio(プラグイン経由)
HDR対応
NDI 6(2024年)から

配信スタジオでは、カメラ、スイッチャー、PCのあいだにSDIケーブルを1本も引かず、LANケーブルだけで映像を回している現場が珍しくありません。その多くで使われているのがNDIです。ネットワークにつなぐだけで相手の機器が一覧に出てくる手軽さが、広まった理由です。

NDIが使われる場面

典型的なのは、vMixやTriCasterを中心にしたライブ配信の現場です。NDI対応のPTZカメラは、映像の送出、電源(PoE)、カメラの操作を1本のLANケーブルでまかなえるため、会議室やホールへの常設で重宝されます。

PCの画面をそのまま素材にしたいときは、NDI Toolsの画面キャプチャ機能で、プレゼン資料や別アプリの画面をスイッチャーへ送れます。Microsoft Teamsなどの会議ツールには参加者の映像をNDIで出力する機能があり、リモート出演者を1人ずつ別の素材として扱えます。OBS Studioは標準では対応しておらず、プラグインを入れてNDIの送受信を行います。

放送局でも、SDIが基幹の設備に、報道サブの補助的な映像の受け渡しやモニター回しとしてNDIを組み合わせる例があります。

NDIの仕組み

NDIの機器やソフトは、起動するとネットワーク内に自分の存在を知らせ(mDNS)、受け手の画面には「マシン名(ソース名)」の形で送り手が並びます。映像と一緒に音声、タリー、PTZの操作信号も同じ接続でやり取りします。

方式は大きく2つです。NDI High Bandwidthはフレーム単位で圧縮する独自コーデックを使い、遅延が小さく画質の劣化も目立ちませんが、1080p60で1本あたり最大150Mbps程度の帯域を使います。NDI HXはHEVCやH.264で圧縮して帯域を大きく減らす代わりに、復号の負荷と遅延が増えます。

NDIの映像が映らない・カクつくとき

NDIのトラブルの多くは、ネットワーク側の条件から来ます。

  • 送り手と受け手のサブネットやVLANが違い、自動検出が届いていない。Discovery Serverを立てるか、NDI Access Managerで相手のIPアドレスを登録する
  • Windowsのファイアウォールが、NDIを使うアプリの通信を止めている
  • Wi-Fiで受けている。High Bandwidthの帯域は無線では安定しないので、有線のギガビット接続にする
  • 1本のギガビット回線に何本も流して帯域を使い切っている。本数×150Mbps程度で見積もる

NDIとST 2110の違い

どちらも映像をIPで運びますが、狙いが違います。ST 2110は非圧縮を基本に、PTPで全機器の時刻を合わせ、放送局の基幹を置き換えるための公開規格です。NDIは圧縮を前提に、一般的なギガビットのLANとPCで動くことを優先しています。拠点の外へ送るときは、NDI Bridgeを使うか、SRTなどに変換して送るのが一般的です。

よくある質問

NDIとNDI HXの違いは何ですか

NDI High Bandwidthは帯域を多く使う代わりに遅延が小さく画質も高く、NDI HXはH.264やHEVCで圧縮して帯域を抑えた方式です。スイッチャーとの間の本番映像にはHigh Bandwidth、帯域が限られる場所のカメラにはHXを使う、という分け方がよく見られます。

NDIはWi-Fiでも使えますか

つながること自体はありますが、High Bandwidthは帯域が大きく、無線では映像が止まったりカクついたりしがちです。本番の映像は有線で運ぶのが基本です。

NDIはインターネット越しに送れますか

NDIは本来LANの中で使う前提ですが、NDI 5で加わったNDI Bridgeを使うと拠点間をつなげます。放送の中継ではSRTに変換して送る方法もよく使われます。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面NDIとの違い
SMPTE ST 2110放送局の基幹設備非圧縮を基本とする公開規格。PTPでの同期や専用に設計したネットワークが前提で、導入の敷居が高い
SDI同軸ケーブルでの映像伝送1本のケーブルで1系統を送る。遅延がほぼなく確実だが、配線の自由度は低い
SRTインターネット越しの伝送拠点間を結ぶための伝送。NDIはLANの中、SRTは拠点の外、という分担が多い
Dante音声のネットワーク伝送音声専用の方式で、ライブ音響や放送の音声系で使われる

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