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Dante

ダンテ

オーストラリアのAudinate社が開発した、Ethernetのネットワークで非圧縮のデジタル音声を多チャンネル、低遅延でやり取りする技術です。ミキサーやマイク受信機など対応機器が多く、LANでの音声配線で広く使われています。

開発元
Audinate(オーストラリア)
方式
IPネットワーク(レイヤー3)上で非圧縮音声を送る
同期
PTP(標準はIEEE 1588-2002。AES67モードではPTPv2も使う)
遅延の設定
0.25ms、0.5ms、1ms、2ms、5msから選ぶ(機器による)
冗長化
プライマリとセカンダリの2系統のネットワークに同時送出
管理ソフト
Dante Controller(ルーティングと設定)
PC用ソフト
Dante Virtual Soundcard、Dante Via
他規格との互換
AES67モードで対応機器と相互接続できる

ミキサーやワイヤレスマイクの受信機にLANの端子が付いていて、「Dante対応」と書かれている。Danteは、そのLANケーブルで何十チャンネルもの音声をやり取りするための技術です。ケーブルは普通のEthernetでも、つなぐスイッチの設定を間違えると音が途切れるので、ネットワークの知識が少し必要になります。

Danteが使われる場面

ライブの音響や放送の現場では、ステージ上のステージボックス、ヤマハのCL・QLシリーズやRIVAGE PMシリーズのようなデジタルミキサー、マイクの受信機、スピーカーを駆動するアンプまで、Danteでつなぐ構成がよく見られます。アナログのマルチケーブルをLANケーブル数本に置き換えられるのが大きな理由です。

配信や収録では、パソコンにDante Virtual Soundcardを入れて、ミキサーから来る全チャンネルをDAWで直接マルチトラック録音する使い方が定番です。Pro ToolsやNuendoのようなDAWから見ると、Danteのチャンネルは普通のオーディオインターフェースの入出力として並びます。

放送局では、サブ(副調整室)や中継車の音声系、インカムの配線にもDanteが入っています。映像のIP化でAES67やST 2110の機器が増えてきたので、DanteをAES67モードで動かして、それらと音声をやり取りする構成もあります。

Danteの仕組み

Danteの機器は、ネットワーク上で互いを自動で見つけます。管理ソフトのDante Controllerを開くと、送り手のチャンネルが横、受け手のチャンネルが縦に並んだ格子が表示され、交点をクリックするだけで音声の経路を設定できます。一度設定した経路は機器側に保存されるので、ソフトを閉じても音は流れ続けます。

同期にはPTPを使います。ネットワーク上の1台がリーダーとなって時刻を配り、ほかの機器がそれに合わせることで、全機器のサンプリング周波数とタイミングがそろいます。

遅延は機器ごとに設定します。スイッチを経由する段数が少ない小さなネットワークなら0.25msや0.5ms、規模が大きくなるほど1ms、2msと長めにします。受け手の遅延を送り手のネットワーク上の遅れより短く設定すると、音が途切れます。

Danteの設定で間違えやすい点

スイッチの省電力機能は、Danteの天敵です。Energy Efficient Ethernet(EEE、Green Ethernetとも呼ばれる)が有効なスイッチでは同期が乱れて音が途切れることがあるため、Audinateは無効にするよう案内しています。家庭用や安価なスイッチでは初期状態で有効になっていることがあります。

多くの機器に同じ音を配るマルチキャストを使うときは、スイッチでIGMPスヌーピングを設定しないと、関係のないポートにも音声のパケットがあふれ、ネットワーク全体が重くなります。

冗長化の配線も注意が要ります。プライマリとセカンダリの2系統を1台のスイッチにまとめてしまうと、冗長の意味がありません。セカンダリはプライマリとは別のスイッチでつなぎます。

よくある質問

Danteは普通のLANケーブルとスイッチで使えますか

使えます。ギガビット対応のスイッチと、カテゴリー5e以上のLANケーブルが目安です。ただしスイッチはEEEを無効にでき、QoSやIGMPスヌーピングを設定できる業務用のものを選ぶと、音切れのトラブルを避けやすくなります。

DanteとAES67の違いは何ですか

AES67は、メーカーの違うIP音声の機器どうしが音声をやり取りするための共通の規格です。Danteは機器の探索や経路設定の画面まで含んだ製品の技術で、AES67モードに切り替えるとAES67の機器と音声をやり取りできます。

Danteの音声をパソコンで録音するにはどうすればいいですか

Audinateが販売するDante Virtual Soundcardをパソコンに入れると、ネットワーク上のDanteのチャンネルがオーディオインターフェースとしてDAWから見えるようになります。Dante Controllerで録音したいチャンネルをパソコンに割り当てれば録音できます。

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