字幕形式字幕制作納品アーカイブ

NAB形式

エヌエービーケイシキ

日本民間放送連盟(民放連、英語略称NAB)の技術規準に由来する、アナログ放送時代からの字幕データの交換形式です。4:3画面を横15.5文字×8行のグリッドで区切り、字幕の位置を文字単位で決めます。

由来
民放連技術規準 T021(8インチ)・T027(3.5インチ)のフロッピーディスクによる文字放送の番組交換
画面の前提
4:3(アナログ放送の有効画面)
1画面の文字数
全角で横15.5文字×最大8行
位置の指定
グリッド上で0.5文字・0.5行単位
文字の大きさ
標準(全角)、中型(半角)、小型(ルビ用)
外字
1バイトのDRCSとして持つ
後継の規格
ARIB STD-B36(HD、多言語、ロールアップ、携帯字幕に拡張)
開ける主なソフト
Semdec、NeON、CCViewer Plus

字幕の納品先から「NABで」と言われて、何の略かも分からない。NABは日本民間放送連盟の英語略称で、NAB形式はアナログ放送の時代に民放連が決めた字幕の交換形式を指します。デジタル放送になったいまも、字幕制作の現場では現役の形式です。

NAB形式の字幕が使われる場面

字幕制作会社が放送局へ字幕を納めるとき、局や番組によってはARIB STD-B36ではなくNAB形式を指定されます。Semdecをはじめとする放送字幕の制作ソフトは、いまもNAB形式の読み込みと書き出しに対応しています。

字幕付きCMでも、NABの制作ルールが長く基準になってきました。日本広告業協会が2014年に総務省の会合で示した資料では、「NAB字幕制作ルールで字幕を制作し、ARIB(HD)データに載せる方法がとられています」と説明されています。画面は4:3の範囲で組み、放送に乗せるデータはデジタル放送用のARIB字幕、という二段構えです。

局の保管庫には、アナログ放送の時代に作られたNAB形式の字幕が大量に残っています。再放送や見逃し配信に使うときは、この古い字幕を読み込んで、B36の.1HDファイルや配信用の形式に変換します。

NAB形式の仕組み

画面の中で字幕が入る範囲は、縦8行、横15.5文字分のグリッドに区切られています。字幕の位置は、このグリッド上で0.5文字、0.5行の単位で指定します。16:9のテレビで見るとき、4:3の外側にあたる画面の左右は使えません。

文字の大きさは、全角の「標準」、半角にあたる「中型」、ルビに使う「小型」の3種類です。人名などの辞書にない漢字は、外字(DRCS)として作って字幕の中に持たせます。

NAB形式とARIB STD-B36の違い

NABとB36の差は、次の通りです。

項目

NAB形式

ARIB STD-B36

画面の前提

4:3

16:9のHD(SD、携帯字幕も持てる)

1画面の文字数

横15.5文字×8行

同じ文字サイズで横21文字×8行

位置の指定

グリッド単位

グリッド単位に加えてドット単位

フォントサイズ

36のみ

36を基準に30、24、20、16を加えた5段階

縁取り

なし

あり

交換の媒体

フロッピーディスクで規定

フロッピーディスク以外にも記録できる

B36はNABの技術規準を土台に拡張した規格なので、NABで作った字幕はB36に変換できます。逆にB36からNABへ落とすときは、4:3の外に置いた字幕や、NABにない文字サイズの字幕を置き直す必要があります。

NAB形式を変換するときの注意

NABからB36へ変換すると、ファイルとしては正しくても、画面の左右が空いたままの4:3の組み方が残ります。発注仕様書の中には「NAB字幕をARIB字幕に変換して出力しないこと」と明記して、最初からARIBの仕様で作るよう求めるものもあります。B36側で気をつける点はARIB STD-B36とは?地上デジタル放送の字幕制作を支える規格が詳しく扱っています。

配信用のSRTやWebVTTに変換する場合は、位置、文字サイズ、外字の情報が落ちます。外字で作った人名は、変換後に空白や記号になっていないかを必ず確認します。

よくある質問

NAB字幕とARIB字幕はどちらで作ればいいですか

納品先の仕様書に従います。指定がなければ、デジタル放送の画面をすべて使えて、そのまま送出データにできるARIB字幕(B36)で作るのが無難です。

NAB形式のファイルはどのソフトで開けますか

SemdecやNeONのような放送字幕の制作ソフトと、NAB形式とARIB形式の両方を表示できるCCViewer Plusのような字幕ビューアで開けます。一般的な動画プレーヤーやテキストエディタでは読めません。

NABはアメリカの放送事業者団体のことですか

同じ略称のアメリカの団体(全米放送事業者協会)がありますが、字幕のNAB形式は日本民間放送連盟の技術規準に由来するものです。その団体が毎年4月にラスベガスで開く展示会NAB Showとも、名前が重なっているだけで関係はありません。

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名前主に使う場面NAB形式との違い
ARIB STD-B36デジタル放送の字幕納品NABを土台に16:9のHD画面、ドット単位の位置指定、5段階の文字サイズ、縁取り、携帯字幕を加えた後継規格
.1HD / .1SDB36形式の字幕ファイルデジタル放送用にHDとSDを分けて持つ。NAB形式は画面の区別を持たない
SRTWeb動画・配信位置も文字サイズも持たないテキスト。NABから変換すると配置の情報が消える

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