現場用語編集納品アーカイブ

白完

白完パケ / シロカン

映像の編集と色の調整は終わっているものの、テロップや字幕がまだ乗っていない完成映像のことです。「白完パケ」の略で、文字を後から差し替えたい再編集、海外販売、二次利用の元素材として納品や保管の対象になります。

読み
しろかん
略す前の形
白完パケ
別表記
白カン
状態
編集済みの映像。テロップ・字幕は入っていない
英語での近い言い方
textless version、clean version
対になる語
完パケ(音と文字まで入った完成品)

発注書に「白カンも一緒に」と書いてあって、何を追加で書き出せばいいのか分からなくなることがあります。白カンは白完と同じもので、テロップを入れる前の完成映像を完パケとは別のファイルで納めてほしい、という意味です。

白完が求められる場面

白完がいちばん必要になるのは、同じ映像を別の文字で使い回すときです。日本語のテロップが焼き込まれた完パケから文字だけを消すことはできません。そこで、テロップを入れる直前の状態を白完として書き出し、完パケと並べて保管しておきます。

具体的には次のような場面です。

  • 番組を海外に販売し、現地の言語で字幕や文字を入れ直す
  • 再放送や総集編で、テロップの内容や時刻表示を差し替える
  • 配信用に縦型やショート版を作り、テロップの位置を組み直す
  • 放送局が自局のフォーマットで文字を乗せるため、制作会社に白完を求める

海外向けの納品では、本編とは別に文字の入っていない背景カットを本編の後ろにつなげて納める「テキストレス素材」を求められることがあります。白完を丸ごと出すか、テロップのかかるカットだけを抜き出すかは、納品先の指定で変わります。

白完の範囲と工程での位置

白完は、オンライン編集で映像がつながり、色の調整も終わった段階にできます。そのあとにMAとテロップ入れが続いて完パケになります。

注意したいのは、白完に含める音の範囲が現場によって違うことです。MAまで終えてテロップだけが無い状態を白完と呼ぶ現場もあれば、音の仕上げ前の状態を指す現場もあります。テロップを入れる前の編集用素材として白完を渡すときは、音声が仮のものか完成音声かを添えておくと、受け取った側が迷いません。

白完の書き出しで間違えやすい点

白完と完パケを別々に書き出すとき、いちばん起きやすいのは尺のずれです。テロップを入れる段階で1フレームでも編集を直すと、白完と完パケの長さや絵のタイミングが合わなくなります。完パケを書き出す直前の編集データから、テロップのトラックだけを外して白完を書き出すのが確実です。

ほかにも次のような取り違えが起きます。

  • テロップ用の座布団(文字の下に敷く帯や図形)だけが残り、文字の無い帯が画面に出ている
  • 映像に焼き込まれた字幕を消し忘れ、白完のつもりが字幕入りになっている
  • ファイル名に白完か完パケかが書かれておらず、どちらが最終版か分からなくなる

ファイル名には「番組名_話数_白完」「番組名_話数_完パケ」のように状態をはっきり入れておくと、保管庫で探すときにも困りません。

よくある質問

白完の読み方は何ですか

「しろかん」と読みます。「白完パケ」の略で、「白カン」と書かれることもあります。画面に文字が乗っていない「白い」完成品、という意味の業界用語です。

白完と完パケはどう使い分けますか

放送や公開にそのまま使うのが完パケ、文字を入れ直す可能性に備えて残すのが白完です。両者の違いと納品までの流れは完パケとは?白完(白カン)との違いと納品までの工程にまとめています。

白完に字幕は入っていますか

入っていません。テロップも焼き付けの字幕も入れないのが白完です。字幕が必要な場合は、映像に焼き込まず字幕データとして別に渡すか、白完をもとに字幕入りの版を作ります。

この用語を扱ったコラム

似ている用語との違い

名前主に使う場面白完との違い
完パケ放送・公開用の最終納品テロップや字幕まで入れ切った完成品。白完に文字と仕上げの音を足したもの
オンライン編集後の素材仕上げ工程の途中本線素材でつなぎ直した段階の映像。白完と重なるが、色やMAの進み具合で呼び方が変わる
焼き付け字幕字幕を映像に固定する字幕を画面に焼き込んだ映像。白完はその逆で、文字を焼き込む前の状態

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