情報通信審議会

ジョウホウツウシンシンギカイ

総務大臣の諮問を受けて、情報の電磁的流通と電波の利用に関する政策の重要事項を調査審議する審議会です。放送方式の技術的条件は、ここでの審議と答申を経て省令・告示の改正につながります。

位置づけ
総務大臣の諮問機関(審議会)
根拠法令
総務省組織令第121条
設置
平成13年(2001年)1月6日
所掌事務
総務大臣の諮問に応じて情報の電磁的流通及び電波の利用に関する政策の重要事項を調査審議し、総務大臣に意見を述べること。郵政事業等に関する重要事項も扱う
審議会の組織
情報通信技術分科会、情報通信政策部会、電気通信事業政策部会、郵政政策部会、ITU部会
委員
定数30人以内、学識経験を有する者。任期は2年
事務局
総務省 情報流通行政局 情報通信政策課 総合通信管理室
技術的条件の検討の場
情報通信技術分科会の下に、電波有効利用委員会、陸上無線通信委員会などのテーマ別の委員会が置かれる

放送方式の資料には「情報通信審議会の答申を受けて」という書き出しがよく出てきます。新しい伝送方式が使えるようになるまでには、技術の完成とは別に、制度の側の手続きがあります。その入口にあたるのがこの審議会です。

情報通信審議会が出てくる場面

放送や通信の技術に関わる仕事では、制度の動きを追う場面で名前が出ます。新しい放送方式、周波数の割り当ての見直し、緊急時の情報伝達の仕組みなど、電波の使い方に関わるテーマは、まず総務大臣がこの審議会に諮問する形で始まります。

審議会は総務省組織令第121条に基づく総務大臣の諮問機関で、2001年1月に設置されました。所掌事務は、総務大臣の諮問に応じて情報の電磁的流通及び電波の利用に関する政策の重要事項を調査審議し、総務大臣に意見を述べることです。郵政事業に関する事項も扱う点は、総務省の所管の広さを表しています。

委員は学識経験を有する者から選ばれ、定数は30人以内、任期は2年です。審議会の下には、情報通信技術分科会、情報通信政策部会、電気通信事業政策部会、郵政政策部会、ITU部会が置かれています。技術的条件の検討は情報通信技術分科会が受け持ち、その下に電波有効利用委員会や陸上無線通信委員会のようなテーマ別の委員会が置かれます。開催案内と会議資料は総務省のサイトで公開されます。

放送方式が制度になるまでの流れ

技術が実際の放送で使えるようになるまでは、おおまかに次の順で進みます。

  • 総務大臣が審議会に諮問し、検討するテーマと範囲を示します
  • 分科会の下の委員会が、実証実験の結果や関係者の意見をもとに技術的条件を詰め、報告をまとめます
  • 意見募集を経て、審議会が答申として総務大臣に意見を述べます
  • 総務省が答申を受けて、技術基準を定める省令と告示を改正します
  • 制度で決まった基準を受けて、ARIBが無線設備の標準的な仕様を標準規格としてまとめます

地上放送高度化方式もこの順を通っています。情報通信審議会での審議を経て2024年5月に関係する省令・告示が改正され、これを受けたARIBでの検討を経て、2025年3月にARIB STD-B79とARIB STD-B80が策定されました。

情報通信審議会で間違えやすい点

  • 答申と法令は別です。審議会は意見を述べるところまでで、技術基準を定めるのは総務省の省令・告示です。日付を引用するときは、答申の日なのか改正の日なのかを取り違えやすくなります
  • 制度が整うことと、放送が始まることも別です。省令・告示が改正され標準規格ができても、どの方式をいつ使うかは、周波数の割り当てや受信機の普及と合わせて決まります
  • ARIBは国の機関ではありません。制度で決まった基準を受けて民間で標準規格をまとめる団体で、審議会とは役割が分かれています

よくある質問

情報通信審議会と電波監理審議会は何が違いますか

情報通信審議会は、政策の重要事項を調査審議して総務大臣に意見を述べる諮問機関です。電波監理審議会は電波法に基づいて置かれる別の審議会で、無線局の免許などの個別の処分や不服申立てを扱います。役割の層が違います。

情報通信審議会の資料は誰でも見られますか

総務省のサイトに開催案内、会議資料、答申が公開されています。放送方式の技術的条件は委員会の資料に細かく載るため、規格書を買う前の全体像の把握に使われることがあります。

答申が出れば新しい放送方式はすぐ始まりますか

始まりません。答申の後に省令・告示の改正があり、さらにARIBの標準規格の策定、機器の開発、送信設備や中継局の対応が続きます。制度が整うことと、実際に放送に使われることは別の段階です。

この用語を扱ったコラム

似ている用語との違い

名前主に使う場面情報通信審議会との違い
電波監理審議会無線局の免許などの処分の審議電波法に基づいて置かれる別の審議会。個別の処分や不服申立てを扱い、政策の技術的条件の検討は情報通信審議会が担う
ARIB(電波産業会)標準規格の策定民間の団体で、制度で決まった技術基準を受けて無線設備の標準的な仕様を規格としてまとめる
省令・告示技術基準そのもの答申を受けて総務省が改正する法令。審議会は答申までで、法令を定めるのは総務省

関連する用語

最終更新