EBU R128
Loudness normalisation and permitted maximum level of audio signals / イービーユー アールイチニーハチ
欧州放送連合(EBU)が定めた、放送音声のラウドネスを揃えるための勧告です。番組の平均ラウドネスを-23 LUFSに合わせ、トゥルーピークを-1 dBTP以下に抑えることを求めています。
- 正式名称
- Loudness normalisation and permitted maximum level of audio signals
- 策定団体
- EBU(欧州放送連合)
- 初版
- 2010年。2011年、2014年、2020年、2023年に改訂
- ターゲットレベル
- -23.0 LUFS
- 許容範囲
- 生放送など目標値ちょうどが難しい場合は±1.0 LU
- トゥルーピークの上限
- -1 dBTP(制作段階)
- 測定方法
- ITU-R BS.1770とEBU Tech 3341に準拠したメーター
- 関連文書
- EBU Tech 3341(メーター)、Tech 3342(LRA)、Tech 3343・3344(運用指針)
ラウドネスメーターのプリセットに「EBU R128」があり、日本の仕事なのにこれを選んでよいのか迷うことがあります。R128は欧州の放送のためのラウドネス勧告で、目標値は-23 LUFSです。測り方は日本の規定と同じITU-R BS.1770なので、メーターの方式は共通でも、合わせる目標値は1 dB違います。
EBU R128が使われる場面
欧州の放送局に番組を納めるときは、R128に沿った音声が求められます。英国や独仏をはじめ、EBU加盟局の多くがR128を基に納品仕様を定めており、海外に番組を販売する制作会社は、日本向けとは別に-23 LUFSのミックスを用意することがあります。
ラウドネスメーターの世界でも、R128は大きな影響を持っています。R128と一緒に作られたEBU Tech 3341は、モーメンタリー、ショートターム、インテグレーテッドという3つの値の表示方法を「EBUモード」として定めました。今のラウドネスメーターの多くはこの表示を採用しており、日本の現場で使うメーターにも「EBU」の名前が付いたモードがよくあります。
放送以外にも広がっています。R128には、CMや番組宣伝のような短い素材向けの補足(R 128 s1)、ストリーミング向けの補足(R 128 s2)、ラジオや映画向けの補足が順に追加されました。
EBU R128の仕組みと規定の中身
R128の中心は、番組全体の平均ラウドネスを-23.0 LUFSに揃えることです。生放送のように目標値ちょうどに合わせるのが現実的に難しい場合は、±1.0 LUの幅が認められています。ただし、幅の端に寄せる運用を常態化させないよう注意書きがあります。
測定は番組の全体に対して行い、台詞や音楽といった特定の要素だけを取り出して測ることはしません。CMや番組宣伝も1つの番組として扱います。
ピークは、制作段階でトゥルーピーク-1 dBTPを超えないことが条件です。圧縮した音声で配信する場合は、コーデックによってピークが上がるため、これより低い上限が必要になることがあり、詳細は配信向けの指針であるEBU Tech 3344に委ねています。
番組の中の音量の幅はLRA(ラウドネスレンジ)で表し、EBU Tech 3342で測り方を決めています。
EBU R128と日本の規定との違い
いちばん大きな違いは目標値です。R128は-23 LUFS、日本のARIB TR-B32は-24 LKFSで、R128のほうが1 dB大きくなります。単位の表記は違っても、LKFSとLUFSは同じ値なので、単純に1 dBの差です。
許容範囲の考え方も違います。TR-B32は運用上の許容範囲を±1 dBとし、R128は生放送などに限って±1.0 LUを認めています。トゥルーピークの上限はどちらも-1 dBTPです。
そのため、R128のプリセットのまま日本向けの番組を仕上げると、1 dB大きい状態で納品してしまいます。メーターの方式が同じでも、目標値の設定は必ず確かめてください。
よくある質問
EBU R128の基準値はいくつですか
平均ラウドネスの目標は-23.0 LUFS、トゥルーピークの上限は-1 dBTPです。生放送など目標値ちょうどに合わせにくい場合は、±1.0 LUの幅が認められています。
EBU R128の設定で日本の放送に納品できますか
測定方法は同じですが、目標値が違うのでそのままでは納品できません。メーターのプリセットを日本向け(-24 LKFS)に切り替えるか、目標値を手で設定し直してから仕上げます。
EBU R128はYouTubeや配信にも使えますか
R128自体は放送向けの勧告です。配信向けの考え方はR 128 s2という補足文書にまとめられています。配信サービスは再生時の音量の基準を各社で決めているので、納品先の仕様を確認してください。
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | EBU R128との違い |
|---|---|---|
| ARIB TR-B32 | 日本の放送 | 日本のラウドネス運用規定。目標値は-24 LKFSで、R128より1 dB小さい |
| ATSC A/85 | 米国の放送 | 米国の推奨実施基準。目標値は-24 LKFS |
| LKFS / LUFS | ラウドネスの単位 | 規定ではなく単位の話。R128はLUFSを使う |
関連する用語
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