NMOS IS-05
AMWA IS-05 NMOS Device Connection Management Specification / エヌモスアイエスゼロゴ
IP設備で、どの送り手をどの受け手につなぐかを切り替えるためのAMWAの仕様です。受け手にストリームの情報を渡し、すぐに、あるいは指定した時刻に有効化させます。SDIルーターのクロスポイント操作にあたる役目です。
- 正式名称
- AMWA IS-05 NMOS Device Connection Management Specification
- 策定団体
- AMWA(Advanced Media Workflow Association)
- 最新の版
- v1.2.0。v1.0.x〜v1.2.xの系列が保守されている
- 主なエンドポイント
- 送り手・受け手ごとの/staged、/active、/constraints、/transportfile、/transporttype
- 一括操作
- /bulkで複数の送り手・受け手をまとめて切り替える(サルボ)
- 有効化の方法
- activate_immediate、activate_scheduled_absolute、activate_scheduled_relative
- 予約時刻の形式
- TAIの「秒:ナノ秒」形式の文字列
- 対応するトランスポート
- RTPが中心。v1.1からWebSocketとMQTTにも対応
- JT-NM TR-1001-1での扱い
- 接続は必ずRTPのtransport_paramsとIPv4マルチキャストで行う
IP設備で絵を切り替えるとき、実際に設定が書き換わるのは送り手ではなく受け手です。IS-05はその受け手に対して「このアドレスから来るストリームを受けなさい」と指示するための仕様で、IS-04で作った一覧の上に載る形で働きます。
IS-05が使われる場面
副調整室のパネルでクロスポイントを押すと、制御システムは選ばれた受け手のIS-05のAPIに対して、送り手のSDPと有効化の指示を投げます。受け手はそのアドレスへの参加をネットワークに申告し、映像が切り替わります。運用者の側から見えるのはボタンの操作だけですが、その裏で起きているのはHTTPのPATCHとJSONのやり取りです。
複数の受け手を同時に切り替える場面では一括操作が使われます。映像と音声4系統、それに付随データをまとめて別のソースへ移すサルボの操作は、/bulkのエンドポイントに1回のリクエストで渡します。1本ずつ順に切り替えると、映像と音声の切り替わる瞬間がずれます。
生中継のプリセット切り替えでは、時刻を指定した有効化が使われます。あらかじめ設定を仕込んでおき、指定した時刻に全機器がそろって切り替わるようにすると、フレームの境目で切り替えられます。時刻の基準はPTPでそろえた時計です。
IS-05の仕組み
送り手と受け手には、それぞれ/stagedと/activeという2つの状態があります。制御システムが書き込むのは/stagedで、そこにはtransport_params(受け手なら受け取る宛先アドレスやポート、送り手なら送り出す先)、受け手の場合はtransport file、そして送受の入り切りを決めるmaster_enableが入ります。/activeは現に動いている設定を映したもので、有効化の操作で/stagedの内容がここへ移ります。
有効化のモードは3つです。activate_immediateはリクエストを受けた時点で切り替え、activate_scheduled_absoluteは指定した絶対時刻に達したとき、activate_scheduled_relativeはリクエストを受けてから指定した時間が経ったときに切り替えます。予約する時刻はTAIの「秒:ナノ秒」という形式の文字列で渡します。
受け手に渡すストリームの情報は、送り手の/transportfileから取れるSDPをそのまま使うのが基本です。映像の形式、フレームレート、色差のサンプリング、マルチキャストのアドレスと送信元アドレスがここに書かれています。ST 2022-7で2経路に分けている場合、transport_paramsは2要素の配列になり、1番目と2番目がそれぞれの経路に対応します。
IS-05の運用で間違えやすい点
- IS-04のinterface_bindingsの並び順とtransport_paramsの並び順が対応していない。TR-1001-1は1番目と1番目、2番目と2番目を対応させることを求めている
- SDPに送信元アドレスが書かれていない。受け手がSSMで参加できず、同じグループアドレスを使う別のストリームを拾う余地が残る
- master_enableを戻さずに受け手を放置している。使っていない受け手が参加を続け、帯域とスイッチのテーブルを占め続ける
- 対応する版が機器間で違う。TR-1001-1の最低条件はv1.0で、v1.1以降で増えた項目に古い機器が応じないことがある
- 予約時刻での切り替えを使うのに、機器のPTPが同期していない。指定した時刻の解釈がずれ、切り替えの瞬間がそろわない
よくある質問
IS-05で切り替えると映像は乱れますか
受け手がストリームを切り替える瞬間にはパケットの流れが変わるため、何も対策しない構成では絵が乱れます。時刻を指定した有効化でフレームの境目にそろえるか、切り替え専用の機器を介する作りにするのが一般的です。
IS-05は送り手側の設定も変えられますか
変えられます。送り手のtransport_paramsで送り出し先のマルチキャストアドレスやポートを設定し、master_enableで送出そのものを入り切りします。ただしJT-NM TR-1001-1に沿った設備では、マルチキャストアドレスの割り当ては制御システム側が管理する前提になっています。
IS-05はRTP以外にも使えますか
v1.1からWebSocketとMQTTのトランスポートにも対応しており、他のプロトコルへ広げられる作りになっています。ただしST 2110の設備でTR-1001-1に沿って組む場合は、RTPのtransport_paramsとIPv4マルチキャストだけを使うと決められています。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | NMOS IS-05との違い |
|---|---|---|
| NMOS IS-04 | 検出と登録 | 設備に何があるかを一覧にする仕様。IS-05はその中から選んでつなぐ |
| SDP | ストリームの説明ファイル | アドレスや形式を書いたテキスト。IS-05はこれをtransport fileとして受け手に渡す |
| SDIルーター | ベースバンドの切り替え | 装置内部のクロスポイントで経路を変える。IS-05は受け手側の設定を書き換えて切り替える |
| IGMP | マルチキャストへの参加 | IS-05で渡されたアドレスに対し、受け手が実際に参加を申告するプロトコル |
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