STB(セットトップボックス)

Set-Top Box / エスティービー

テレビにつないで、放送やネット配信を受信し、映像に戻してテレビへ送り出す受信機です。ケーブルテレビ、IPTV、動画配信サービスなど、届け方ごとに中身が違います。

呼び名の由来
テレビ受像機の上に置く箱という意味のset-top box
主な種類
ケーブルテレビ用、IPTV用、動画配信(OTT)用、衛星放送用
主な役割
受信と復調、限定受信(CAS)の処理、映像と音声の復号、番組表やデータ放送の表示、テレビへの出力
日本の限定受信方式
2Kの放送はB-CAS、新4K8K衛星放送はACAS
データ放送
日本のデジタル放送ではBMLで作られた画面を表示する
テレビとの接続
HDMI。リモコンの連動にHDMI-CEC
受信機の規格
ARIB STD-B21(デジタル放送用受信装置)

ケーブルテレビに加入すると渡される黒い箱、光回線のテレビサービスで使う小さな機器、テレビにHDMIで挿す動画配信の端末。呼び名はどれもセットトップボックスですが、中で起きていることはかなり違います。共通しているのは、テレビが自力では受け取れない信号を受け取り、テレビが表示できる形に変えるという役目です。

STBが使われる場面

日本の家庭で多いのはケーブルテレビ用です。ケーブルテレビでは地上デジタル放送を周波数そのままで流す方式が広く使われているため、地デジはテレビに直接つないでも映ります。一方でBSやCS、ケーブル局の自主放送は別の形で伝送されているので、その受信と契約の確認にSTBが要ります。

光回線を使うIPTVのサービスでは、映像がIPのマルチキャストやユニキャストで届きます。STBはネットワークにつながり、IGMPでチャンネルのグループに参加して映像を受け取ります。チャンネルを変えるたびに参加と離脱が起きるため、切り替えの速さはネットワーク側の作りにも左右されます。

集合住宅やホテル、病院の映像設備でもSTBは現役です。各部屋のテレビが機種もメーカーもばらばらでも、STBをそろえておけば、画面の見た目や番組表、契約の管理を1つの仕組みでそろえられます。海外向けの放送サービスでは、その国の受信機が日本の方式に対応していないため、STBを配って方式の差を吸収することもあります。

STBの中で起きていること

放送用のSTBが受け取ってから映像を出すまでは、いくつかの段を踏みます。まず入ってきた信号を復調し、TSのパケットの流れに戻します。次に番組ごとの識別子をたどって、見たいチャンネルの映像と音声と字幕を取り出します。有料放送であれば、ここで限定受信の処理が入ります。日本の2Kの放送ではB-CAS、新4K8K衛星放送ではACASの仕組みが鍵を扱い、契約している番組だけを解いて先へ流します。

そのあとに映像と音声の復号があり、HDMIでテレビへ送り出します。番組表やデータ放送の画面もSTBの中で作られます。日本のデジタル放送のデータ放送はBMLという言語で書かれており、受信機がそれを解釈して画面を組み立てます。リモコンのdボタンを押したときに出る画面は、この処理の結果です。

近年はAndroid TVなどを土台にして、放送の受信とネット動画のアプリを1台で扱える機種も出ています。放送を受ける部分は従来通りで、その上にアプリが載る構造です。

STBが減っている場面と残る場面

テレビ自体がチューナーとネット動画のアプリを内蔵するようになり、箱を増やさずに済む場面が増えました。地上デジタル、BS、110度CSのチューナーはテレビに入っていますし、動画配信サービスのアプリもテレビ側で動きます。

それでもSTBが残るのは、テレビが自力で扱えない部分があるときです。ケーブル局の自主放送や一部の有料チャンネル、事業者ごとの番組表や視聴履歴の仕組み、機器をそろえて管理したい施設向けの用途などが該当します。どこまでをテレビに任せ、どこからを箱に任せるかという線引きが、サービスごとに違うだけとも言えます。

よくある質問

セットトップボックスは何をする機器ですか

放送やネット配信の信号を受け取り、契約の確認や復号を経て、テレビが表示できる映像と音声に変えて出力する受信機です。番組表やデータ放送の画面を作るのもSTBの役目です。

ケーブルテレビでSTBは必要ですか

地上デジタル放送だけを見るなら、周波数をそのまま流す方式のケーブルではテレビに直接つないで映ることが多いです。BSやCS、ケーブル局の自主放送、4Kの有料チャンネルなどはSTBが必要になる場合があります。契約している事業者とチャンネルによって変わります。

STBとストリーミング端末は何が違いますか

放送用のSTBは、電波やケーブル、IPTVの信号を復調し、限定受信の仕組みを持っています。動画配信向けのストリーミング端末は放送波を扱わず、ネット経由の配信アプリを動かすことに特化しています。見た目は似ていても、中で扱う信号が違います。

似ている用語との違い

名前主に使う場面STB(セットトップボックス)との違い
チューナー内蔵テレビ単体での受信STBの役目をテレビ自体が持つ。ケーブルの自主放送や4Kの有料放送では別途STBが要ることがある
ストリーミング端末ネット動画の視聴放送波の復調やCASを持たず、配信アプリだけを動かす。放送用のSTBとは扱う信号が違う
Hybridcast放送と通信の連携受信機の中で動くアプリの仕組み。STBは箱としての機器を指す
B-CAS限定受信とコピー制御STBやテレビの中で動く仕組みの1つ。STBの機能の一部にあたる

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